ShunChecker-Remote ドキュメント
本ドキュメントは、ShunChecker-Remoteの使用方法を説明します。
ShunChecker-Remoteは、発光側と受光側の2台のShunCheckerを使用し、遠隔地点間のGlass-to-Glass遅延を測定する装置です。
特徴
- 2 μsの時間分解能で、Glass-to-Glass(カメラに光を入力してからディスプレイが光るまで)の遅延を測定できます。立ち上がり・立ち下がりの両方を測定できます。
- USB Type-C給電で動作し、屋外での測定に適したスタンドアロン動作と、詳細な分析に適したPC接続に対応しています。
- 測定波形を内蔵ディスプレイとブラウザ上で確認でき、遅延測定結果をCSV形式で保存できます。
- 遠隔地点間の片方向(折り返しなし)遅延を測定できます。カメラとディスプレイの同期タイミングが徐々にずれることで生じる不自然な遅延変動を考慮し、一貫性のある測定を実現します。
- 高精度OCXOを搭載し、GPS(GNSS)モジュールからのPPS信号が途絶えた場合のホールドオーバー動作に対応しています。

ShunChecker-Remoteのアーキテクチャ
内容物(ShunChecker-Remoteキット)
- ShunChecker-Remote本体 × 2
- LEDモジュール × 1
- 受光モジュール × 1
- LEDモジュール・受光モジュール接続用3.5 mmステレオミニプラグケーブル × 2
- GPSモジュール × 2
- GPSアンテナ × 2
- GPSモジュール接続用ケーブル × 2
各部の名称


配線

実際に配線した状態

写真と配線図を参考に接続します。PD2ポートはこのバージョンでは使用しません。 接続しても測定できないため、ご注意ください。
LEDモジュールと受光モジュールを逆に接続した際に、破損した事例が報告されています。接続先を十分に確認してください。
LEDモジュールと受光モジュールは、それぞれ別のShunCheckerに接続します。どちらのShunCheckerをLED側または受光側として使用するかは、動作モードで選択できます。
受光モジュールは背面にゲイン調整用の穴があり、LEDモジュールより正面の開口部が小さいことが特徴です。

受光モジュールの背面

モジュールの正面
使用方法
前述のとおり配線し、USBケーブルでPCまたはモバイルバッテリーなどに接続します。電源が5 V・500 mA以上を供給できることを確認してください。本製品は消費電力の高い高精度クロックを搭載しているため、電流が不足すると電圧が低下し、時間測定に誤差が生じる場合があります。
5 V・500 mA以上を供給できる電源を使用してください。1 A以上を推奨します。
受光モジュール側のShunCheckerをPCに接続すると、WebGUIを使用して測定結果を記録できます。LED側をPCに接続することもできますが、測定結果は確認できません。LED側は、十分な電流を供給できるモバイルバッテリーなどに接続することをおすすめします。
GPSアンテナは屋外、または空への視界が開けた場所に設置してください。窓際でも受信できる場合がありますが、受信強度が低下します。
起動と画面遷移

起動画面

直近5回の測定結果一覧画面
起動すると、直近5回の測定結果一覧画面が表示されます。起動直後は「No data」と表示されます。左ボタンを押すと画面を切り替えられます。
動作モード選択画面
この画面で左ボタンを約1秒間長押しすると、動作モードを変更できます。起動時はLocalが選択されています。中央・右ボタンを押し、そのShunCheckerで使用するモードを選択してください。

ShunChecker-Remoteとして動作させるには、LED PPSモードのShunCheckerとPhoto PPSモードのShunCheckerが1台ずつ必要です。
決定した動作モードは保存されます。
| 動作モード | GPSモジュール | 説明 |
|---|---|---|
Local | 不要 | ShunChecker-Localとして動作します。1台にLEDモジュールと受光モジュールを接続し、手元で完結する測定に使用します。 |
LED PPS | 必要 | ShunChecker-RemoteのLEDモジュール側として動作します。 |
Photo PPS | 必要 | ShunChecker-Remoteの受光モジュール側として動作します。 |
立ち上がり波形画面

立ち上がり波形画面では、中央・右ボタンを押して、立ち上がり判定に使用するしきい値(点線)を変更できます。しきい値は電源を切るとリセットされます。
デフォルトでは、12 bit ADCの最大値4095に対して約80%となる3276に達すると、ONと判定します。ボタンを押すたびに、しきい値を200ずつ上下できます。しきい値はWebGUIでも確認できます。
立ち下がり波形画面

立ち下がり波形画面では、中央・右ボタンを押して、立ち下がり判定に使用するしきい値(点線)を変更できます。しきい値は電源を切るとリセットされます。
デフォルトでは、12 bit ADCの最大値4095に対して約20%となる819まで低下すると、OFFと判定します。ボタンを押すたびに、しきい値を200ずつ上下できます。しきい値はWebGUIでも確認できます。
GPS情報画面

GPS情報画面では、GPSの受信状況などを確認できます。たとえばFix: 3D(10)は、10個の衛星を捕捉し、3D測位ができている状態を示します。何も表示されていない場合は衛星の捕捉が完了していないため、数分お待ちください。10分以上受信できない場合は、アンテナの設置場所を見直してください。空への視界が開けた屋外では、通常3分程度で受信します。
Intvは測定間隔(Interval)を示します。1sでは、LEDの立ち上がり、受光側の立ち上がり、LEDの立ち下がり、受光側の立ち下がりまでがすべて1秒未満で完了する場合に測定できます。1秒以上の遅延が想定される場合は、3sなど、より長い測定間隔に設定してください。
GPS情報画面で中央・右ボタンを押すと、測定間隔を変更できます。電源投入時は1sに設定されます。
LEDの立ち上がりから受光側の立ち下がりまでに1秒以上かかることが予想される場合は、測定間隔を3s以上に設定してください。測定間隔は起動するたびに1sへリセットされます。
クロックのホールドオーバー動作
ShunChecker-Remoteは、通常時はGPS信号と同期して計測を行いますが、室内等GPS信号を受信することができない場所において測定を行うために、GPS信号を受信できる場所で取得したPPS信号を内部クロックで保持することができます。
GPS信号を受信できなくなったタイミングで、自動でホールドオーバー動作へ移行します。ホールドオーバー動作へ移行してからの秒数は画面上に表示されます。再度GPS信号を受信すると、同期モードへ復帰します。GPS信号の復帰タイミングで数回分、正しくない遅延測定結果が得られることがあります。
GPSモジュールからアンテナを抜去することで、意図的にホールドオーバー動作へ移行することもできます。
クロックの安定期間
ShunChecker-Remoteに搭載しているクロックは、恒温槽付きの高精度クロックです。コールドスタート時は恒温槽を温める必要があり、その間は周波数が安定しません。
本製品は、電源投入から約5分で±100 ppbの精度に達します。高精度な測定が必要な場合は、約5分待ってから測定を開始してください。
起動から約5分待つことで、クロックが安定します。
ホールドオーバー精度
1台のShunChecker-Remoteをホールドオーバー動作させた際の、測定誤差の実測例を以下に示します。測定時の周囲温度は25 ℃です。
| ホールドオーバー時間 | 0分を基準とした時間のずれ | 周波数偏差 |
|---|---|---|
| 0分 | 0 μs | 0 ppb |
| 15分 | 30 μs | 33.3 ppb |
| 30分 | 65 μs | 36.1 ppb |
| 50分 | 110 μs | 36.7 ppb |
| 3時間 | 300 μs | 27.8 ppb |
PCと接続する
ShunChecker WebGUIにアクセスし、ShunChecker-Remoteを接続するボタンを押します。

ブラウザのダイアログから、ShunChecker-Remoteのシリアルポートを選択します。

動作モードを選択します。受光側の場合はPhoto PPSを選択してください。本体側で測定間隔を変更している場合は、PPS Intervalも同じ値に設定してください。

測定結果は、画面右上のDownload CSVからダウンロードできます。測定履歴をリセットする場合は、Resetを押してください。

測定する
カメラ側のLEDモジュールをテープなどで固定し、ディスプレイ側の受光モジュールを手で当てると測定しやすくなります。次の写真ではLEDモジュールと受光モジュールが同じShunCheckerに接続されていますが、Remote測定では、あらかじめ動作モードを設定した2台のShunCheckerに、それぞれ1つずつ接続してください。
測定対象のカメラ側にLEDモジュール、ディスプレイ側に受光モジュールを接触させます。受光モジュールは、できるだけ画面に密着させてください。ディスプレイによってはパネルの応答遅延が顕著になる場合があるため、画面の左上で測定することをおすすめします。

キャリブレーション
正確に遅延を測定するには、受光モジュールのキャリブレーションが必要です。 ディスプレイの応答は測定結果に大きく影響し、キャリブレーションによって遅延が10 ms単位で変化することがあります。出荷時は標準的なディスプレイで測定できる値に調整されていますが、より正確に測定するため、ディスプレイごとに調整することをおすすめします。
出荷時は、DELL G2524Hを輝度80%に設定して調整しています。
ディスプレイの輝度によって受光モジュールから得られる値は異なります。明るいディスプレイではセンサ値がすぐに飽和し、正確に遅延を測定できない場合があります。
正確に遅延を測定するには、使用するディスプレイに合わせて受光モジュールを調整してください。
キャリブレーション方法
受光モジュール背面の可変抵抗を回して、ゲインを調整します。ディスプレイを白く点灯させ、センサ測定値(縦軸)が減少し始める直前に合わせると、良好な結果が得られます。縦軸の最大値は4095(12 bit)です。

ゲインが大きすぎると、センサ値が飽和します。立ち上がり判定までの時間は短くなりますが、立ち下がり判定までの時間は長くなります。
次の例では、点灯時にセンサ値が4095で飽和しています。この状態では正確な遅延を測定できません。ゲインを小さくし、4095に張り付かず、波形のピークだけが4095付近に達するように調整してください。

ゲインが小さすぎると、立ち上がり判定までの時間が長くなり、立ち下がり判定までの時間が短くなります。
次の例では、点灯時のセンサ値が4095付近まで上がらず、しきい値に近い3200付近にとどまっています。ゲインを大きくし、飽和しない範囲で波形のピークが4095付近に達するように調整してください。

次の例は、ゲインが適切に調整された状態です。点灯時のセンサ値が4095に張り付かず、波形のピークが4095付近に収まっています。ディスプレイが変わると輝度も変化するため、ディスプレイごとに調整することをおすすめします。

仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 時間分解能 | 2 μs |
| 電圧分解能 | 12 bit(4096段階) |
| 電源 | DC 5 V・500 mA以上、1 A推奨 USB Type-Cから給電 |
| 動作モード | スタンドアロン動作 PC接続によるロギング |
| ディスプレイ | OLED・128 × 64 px |
| サイズ | 90 × 60 mm |
| ホールドオーバー | 対応(OCXO OH300) |
| クロック精度 | ±100 ppb |
| 遠隔地点間測定 | 対応 |
| ローカル測定 | 対応 |
サポート・お問い合わせ
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製品情報は、ShunChecker製品ページをご覧ください。