より柔軟に映像伝送を行う
Shunkei VTXは、一般的なローカルエリアネットワーク(LAN)内において、自動で通信先を検出することができました。 一方で、IPアドレスを指定することで、より柔軟に映像伝送を行うことができます。
- 同一LAN内にShunkei VTX送信機・受信機を複数台接続する
- 直接IPで到達可能であるが、別セグメントに属するShunkei VTX送信機・受信機を接続する
- ポート開放などの設定を行うことで、インターネットを介して映像伝送を行う
などの用途に利用することができます。
Shunkei VTXは、映像の伝送にUDP 12345番ポートを使用します。 そのため、映像の伝送を行う際には、このポートが開放されている必要があります。
同一LAN内にShunkei VTX送信機・受信機を複数台接続する
Shunkei VTX送信機・受信機が同一のセグメントに属する場合、送信機は自動で通信先の受信機を検出します。 しかし、複数の送信機・受信機が同一セグメントに属する場合、それぞれの送信機は最初に検出した受信機に映像を送信します。 そのため、映像を送信したい受信機に映像が届かなかったり、競合して映像が乱れたりする場合があります。
そこで、Shunkei VTX送信機の設定にて送信先のIPアドレスを指定することで、映像を送信したい受信機に映像を送信することができます。 以下の手順にて、Shunkei VTXの設定を行ってください。
- Shunkei VTX受信機を起動し、IPアドレスの固定を行う
- 受信機のIPアドレスが固定されていない場合、Shunkei VTX受信機の再起動時にIPアドレスが変更される可能性があります。
- IPアドレスを固定する場合、他の機器とIPアドレスが重複しないように注意してください。
- IPアドレスの固定は、Shunkei VTX受信機の設定画面より "Ethernet" -> "IP settings" -> "Mode: Static" を選択し、IPアドレスを設定することで行うことができます。
- Shunkei VTX送信機を起動し、映像の送信先を先ほど固定したIPアドレスに設定する
- 送信先IPアドレスの設定は、Shunkei VTX送信機の設定画面より "Video" -> "Destination settings" -> "Mode: manual" を設定することで行うことができます。
直接IPで到達可能であるが、別セグメントに属するShunkei VTX送信機・受信機を接続する
Shunkei VTX送信機・受信機が同一のセグメントに属する場合、送信機は自動で通信先の受信機を検出します。 しかし、複数の送信機・受信機が同一セグメントに属さない場合、受信機の自動検出が行われないため、映像の伝送を行うことができません。
そこで、Shunkei VTX送信機の設定にて送信先のIPアドレスを指定することで、UDPパケットが到達できる環境であれば、映像を送信したい受信機に映像を送信することができます。 以下の手順にて、Shunkei VTXの設定を行ってください。
- Shunkei VTX受信機を起動し、IPアドレスの固定を行う
- 受信機のIPアドレスが固定されていない場合、Shunkei VTX受信機の再起動時にIPアドレスが変更される可能性があります。
- IPアドレスを固定する場合、他の機器とIPアドレスが重複しないように注意してください。
- IPアドレスの固定は、Shunkei VTX受信機の設定画面より "Ethernet" -> "IP settings" -> "Mode: Static" を選択し、IPアドレスを設定することで行うことができます。
- Shunkei VTX送信機を起動し、映像の送信先を先ほど固定したIPアドレスに設定する
- 送信先IPアドレスの設定は、Shunkei VTX送信機の設定画面より "Video" -> "Destination settings" -> "Mode: manual" を設定することで行うことができます。
Tailscaleを用いてVPN経由で映像伝送を行う
Shunkei VTX (v1.0.0以降) は、VPNサービスのTailscaleに対応しています。 VPNを用いることにより、NAT配下のデバイスでもインターネットを超えた通信が可能となり、また通信を暗号化することができます。
Shunkei VTXのバージョンアップデートを希望の場合はお問い合わせください。 なお、購入時期によってはアップデートに対応できない場合があります。
Tailscaleを用いた映像伝送を行う手順は以下の通りとなっています。
- 設定画面の「Tailscale」より、Tailscaleのインストールを実施する。
- 設定画面の「Tailscale」より、tailscaleアカウントへのログインを行う。
- 上記設定を、送受信機ともに行う。
- Shunkei VTX受信機の設定画面の「Tailscale」より、TailscaleのIPアドレス(
100.x.x.x)を確認する。 - Shunkei VTX送信機の設定画面の "Video" -> "Destination settings" -> "Mode: manual" にて、先程確認したIPアドレス(
100.x.x.x)を設定する。
また、PCなどにもTailscaleアプリをインストールすることにより、Shunkei VTXのWeb GUIにもTailscale経由でアクセスすることができます。
詳細な利用方法はTailscale公式サイトを参照してください。
VPNを用いずに、インターネットなどの広域ネットワーク網を介して映像伝送を行う
Shunkei VTXは、UDPパケットを使用して映像の伝送を行います。 そのため、インターネットなどの広域ネットワーク網も利用することができます。
ただし、インターネットなどの広域ネットワーク網を介して映像伝送を行う場合、以下の点に注意してください。
- 送信機・受信機のIPアドレスが固定されていること
- 受信機のIPアドレスが、インターネットなどの広域ネットワーク網を介して直接到達可能であること
- 一般的なルータなどはNAT/NAPTされている場合、内部のIPアドレスに対して外部から直接到達することはできません。
- このような環境では、ルータのポート転送の設定を行うことで実現できる場合があります。
- 十分な帯域(20~40Mbps)を確保でき、パケットロス・ジッタが少ないこと
また、通信は暗号化されないため、機密情報を送信する際にはVPNの活用やIPトンネリングでの暗号化を検討してください。
ここでは、以下のネットーワークを例に、インターネットなどの広域ネットワーク網を介して映像伝送を行う手順を説明します。

- Shunkei VTX受信機を起動し、IPアドレスの固定を行う
- 受信機のIPアドレスが固定されていない場合、Shunkei VTX受信機の再起動時にIPアドレスが変更される可能性があります。
- IPアドレスを固定する場合、他の機器とIPアドレスが重複しないように注意してください。
- IPアドレスの固定は、Shunkei VTX受信機の設定画面より "Ethernet" -> "IP settings" -> "Mode: Static" を選択し、IPアドレスを設定することで行うことができます。
- ルータBの設定を変更し、ポート転送ルールを追加する。
- プロトコル: UDP
- 転送元ポート: 12345
- 転送先IPアドレス: Shunkei VTX受信機のIPアドレス
- 転送先ポート: 12345
- Shunkei VTX送信機を起動し、映像の送信先をルータBのグローバルIPアドレスに設定する
- 送信先IPアドレスの設定は、Shunkei VTX送信機の設定画面より "Video" -> "Destination settings" -> "Mode: manual" を設定することで行うことができます。
- ルータBのグローバルIPアドレスは、
https://ifconfig.me/ <https://ifconfig.me/>_ などのサービスを利用することで確認することができます。